kanon

2019年10月18日4 分

Waiting Rabbit

こんにちは、kanonです。今回は今年のテーマである生活感ある作風(コミティアもこのテーマでやっています。)から離れたちょっぴりファンタジーな絵を描いてみました。タイトルは「Waiting Rabbit」。何かを待っているうさぎちゃんです。

客観的に美しいものをより集めて

今までのちょっと尖ったイラストに比べてこのイラストはだいぶ客観的というか商業的な、よく見るようなイラストだなと自負しています。

宝石に可愛いうさぎちゃんに頭骨に廃墟風の空間。(絵の技量にもよりますが)パッとみても可愛いだとか美しいだとかの感想が出やすいモチーフを多く描いています。

というのも今回のイラストは、「お客さん」としての私が美しいと感じるもの、好きなものをより集めて描いてみたイラストだったからなんです。

「私(作者以外の他者)=お客さん」に美しいと感じさせるモチーフ。つまりそれはお客さんのことを考えた客観的な表現なのではないか。という考え方をもとにこのイラストを描き始めました。

美しいと感じる感性は人それぞれです。だけれど人気の作品、たくさんの人が好きだと寄り集まってくる作品はあります。

最近自分の好きなものをやっぱり知りたくてpibという好きなイラストを集めるアプリを始めたのですが、そこで集めるイラストはやっぱり世でいう人気の作品だったり、一般的に綺麗だとか上手いだとかいうイラストばかりだったので、もしかして自分は一般的に綺麗だと言われやすいものも好きなのではないかと思って描いてみました。

一般的に綺麗だと言われやすいもの、思われやすいものを描くことは、単純に人気なもの、人気になりやすいものを描くことでもあります。

そういうものを描くことは、絵を人気にしてより多くの人に届けるという観点でもいい影響があるのではと、半分練習のような気持ちで描き始めました。

哀しげなイメージの作品にはしたくなかった

繊細さ、綺麗さとよくセットで表現される、儚さや哀しさ。

絵の配色からしても、この絵は美しくも繊細で、儚げで哀しげである。というイメージにかなり引っ張られ苦戦しました。

なにぶん「ただ美しく繊細で儚げで哀しげな作品にしたくなかった」という思いで制作していたのですから。

最近自分のトレンドである「悲しいものを描きたくない」というのが強かったのですが、私は美しいものでも、どこかパワーみたいなものを求める気持ちがあるようで、今回は「客観的にみて美しい作品」という名目はありながらもその想いにちょっとだけ従ってみました。

足のつま先でクッションをギュッと握り、最初「美しく繊細で儚げで哀しげ」なイメージに引っ張られて神妙で哀しげな顔にしてしまった表情を、小さく、何か含みがあるように笑わせてみたり。うさぎちゃんがうずくまってるハンギングチェアは実はうさぎちゃんの手編みであることがわかるようにわざと網目を雑に大きく描いてみたりとか。(その辺の木の皮を大雑把に引き裂いて編み上げて作った感じです。)

何かパワーを貯めるため、この後何か大きなことをするためににあえて引きこもっているようなイメージです。

このイメージは、客観的に描くという動機の元描き始め、描きながら探していました。イメージがあるとないのとではやる気が違いますからね。

序盤はインスピレーションを得るために聞いた「時計台の鐘」(アニメゴールデンカムイ2期のエンディングテーマですね。)にあった「訪れる何かを待っている」という歌詞を道しるべに美しく繊細で儚げで哀しげなイメージに引っ張られないように描いていました。

後半になってイメージが明確になってきたのですが、正直イメージが明確になった後も技術的な問題もあるのかどこか描き辛かった作品でした。


結局客観的に描くとか言いつつも、自分全開で描いてしまっていますね笑。

ちなみにこのイラストは↑のイラストのように比較的シンプルな構図を取り、3日くらいで描きあげるつもりで描いたのですが、結果1週間以上かかってしまいました。実はシンプルなイラストの方が難しいのです。

「Waiting Rabbit」もCOMITIA130で販売するイラスト集に載せるのと、このハンギングチェアの部分を使ってキーホルダーでも作ろうかなと考えています。乞うご期待!!

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