こんにちは、kanonです。こんなタイトルですが、今回も私が描いたイラストについて語っていく記事になります。
今週のkanonは「トミーウォーカー」様のお仕事イラストと、二次創作のイラストを描いていました。
今回はその2点のイラストについてお話ししていこうと思います。
トミーウォーカー様からのお仕事
2019年の10月から、ブログSNS共に、kanonの仕事に関する更新がかなり減っていたのですが(これに気付ける方、すごい!)今回のことは大学生時代のように仕事をサボっていただけではなく、単に今回のお仕事までお仕事の依頼が来なかっただけです。
実力不足を感じるところです・・・。
そんなこんなで今回お仕事の依頼を数ヶ月ぶりにいただき、張り切って製作を進めました。
『ケルベロスブレイド』(C)kanon/トミーウォーカー
今回のご依頼は、今までほとんど描いてこなかった「クリーチャー系」のキャラクターのイラストでした。(ご依頼していただいた方、ありがとうございました!)
普段描かないモチーフを描く、これこそが今回のタイトルの「慣れない仕事」というわけです。
描くとき、どうしたのか
絵を描くという行為は日常茶飯事でしたので、普通に楽しく描けた制作だったのですが、やはり慣れないモチーフを描いたというだけあって、かなり神経を使った製作になりました。
そのため今回は依頼をいただいたら、いただいた依頼のままにイラストを描くのではなく、いくつか詳細なラフを作ってそのラフを徐々に改良していき、その過程で仕上げていくというやり方をとりました。
まずは依頼内容を確認し、紙に鉛筆で依頼されたことを素直に反映していきます。
依頼の文章は、詳しくお話をすることができませんが、イラストを見てもわかる通り、ゾンビのような巨漢のキャラクターとだけイメージしてくれたらOKです。
次に大体のイメージが決まったらデジタルに入り、ラフにしていきます。
まず一案目、ざっくりと紙に書いたものを反映してみました。
ゾンビの肌を表現するのに、水死体のイメージを思い浮かべていたのでしょうか、(実際に水死体の資料はみませんでしたが)白っぽくぶよぶよとした肌に無数の肉割れというか静脈のあとのような筋が現れている肌をイメージして描いていました。
キャラクターが着ている鎧も普段あまり描かないモチーフなので、実際の鎧の写真資料をたくさん探してざっくりデザインした後が見て取れますが、資料で見たどの鎧もちょっとこのキャラにとっては精錬すぎるというか、綺麗すぎる感じがして悩んでいました。
イラスト上部には描く際に注意することを描きました。
こうして常に注意することを意識して描かないと、意識できないかなと思ったための措置です。
グロテスクさもやり過ぎてしまってはいけないということでしたので、グロいものを直接描くのではなく、グロい雰囲気を持ったキャラクターにすべく、キャラクターの不安定感を出すために、ツイニング(双子化、シルエット化した時に左右対称になるポーズ)を取らせない、逆三角形をイメージしたシルエットをとらせることを意識して形にしていくことを決め、2案目に進みます。
ダメだと思ったらすぐに切り替えられるのもラフならではです。
2案目、こちらは1案目を元にかなり詳細に描いています。
鎧も1案目の反省を生かし、男子小学生向けのトレカなどを参考に、ちょっと禍々しい感じに仕立てます。
鎧の各所に血管をイメージした筋を入れます。この筋を通って鎧を着た者にエネルギーが供給される、または鎧にエネルギーを吸収という個人的な設定ですが、これで禍々しくなりました。
肩の鎧を大きくし、下半身を小さくし、逆三角形のシルエットになるように整えつつ描きます。
ですがこれもどっしりとした安定感が出てしまったのと、動きがなすぎる気がしたのでボツにしました。
安定感を崩すためにさらにラフを描いて前のめりにしてみます。この変更を生かして、最終的な決定案を描き始めます。
第3案にしてようやく決定案になります。
最終的な決定案を出すまでに5時間かかってしまいました。
こちらは決定案ですので、一気に描き進めましたので、途中経過はありません!
こちらでやったことといえばTwitterで知り合ったクリーチャーを専門に描く専業イラストレーターさんの描き方を、メイキング動画などをみて参考にしとにかく描いたことくらいでしょうか。
最後に光源がのっぺりしている気がしたので、光源を整えて完成です。
ほぼ完成した画に手を加えるのでちょっと変えただけでもせっかく決まっていたところがダメになってしまいますから慎重に描き進め、完成させます。
逆にちょっと変えただけでも劇的に良くなる工程でもあるので、この工程まで一気に進めて、この工程に時間を多く割くようにしたら絵の完成度が上がるんじゃないかなと思いました。
未だハマっている!斉木楠雄のψ難
昨年末からハマっている漫画「斉木楠雄ψ難」の二次創作を今回も描きました。
今回絵にしたのは、漫画本編の「268-270X(回)」のお話。
ギャグ漫画の斉木楠雄のψ難内でもかなりシリアスな展開のお話です。
主人公斉木楠雄をライバル視する兄、斉木空助と幽霊が見えるクラスメイトの鳥束霊太が組んで斉木楠雄に勝負を挑むという内容です。
はじめこのお話が収録されている本を持っていなかったので、pixivなどの二次創作から知ったのですが、「こんな面白そうなお話があるのか」と本を即購入し読んでみたところ、本当に面白くて印象に残って感動したので、感動のまま二次創作をしてみました。
イラストのタイトルはBrother
Brotherは普通「兄、弟」など兄弟の意味を持ちますが、他にも「同胞」や「仲間」を意味する言葉でもあります。このイラストに置いて「兄」はイラスト上部に描かれている空助、「弟」はイラストには描かれていないけど楠雄、そして「同胞」はイラスト下のキャラ鳥束に当たります。
空助と鳥束は一時的な「同胞、兄弟」で、双方の感情は二人にとって兄弟であり同胞である斉木楠雄に向けられている。だからこそのBrotherです。
各所に斉木楠雄の髪の色、(おそらくテーマカラー)である暗いピンクを混ぜて、斉木楠雄が描かれていないイラストに、斉木楠雄がいるような雰囲気を足してみました。
なぜこんな回りくどいことになったのか。
一応斉木楠雄(イラスト上部右)がいるバージョンも考えていたのですが、背を向けた楠雄が背景にいると、なんだか楠雄が二人を見限ったかのような。空助と鳥束が楠雄に抱いている想い、つまり客観的に楠雄に対して想いを持っている二人のなかに、楠雄本人の主観が入り込んで「その客観は間違っている」と二人の膨らむ思いを断ち切っているような、イメージがあります。
あくまで楠雄に対する客観を膨らませる空助と鳥束を描きたいので、二人のみの世界にしていない楠雄を感じさせる、方が良いかなと思いこういう方法をとりました。
最初は落書きのつもりでしたが、シンプルな構図な為、ある程度描き込まないとそもそも作品として見れないということで昨年12月下旬から描き始めたのが、すっかり今までかかってしまいました。
仕上げの工程を楽しむ
今回は2作品のお話でしたが、どちらも共通してやろうと意識したことがあります。
それは「仕上げの工程に注力する」ということです。
昨年11月から私は「仕上げまで集中力が持たない」という悩みを抱えながら制作していました。
それはちょっと手を加えただけで大惨事になることがあったり、永遠に描き終わらないドツボにハマってしまう仕上げの工程に対する恐怖心があったからなのかもしれません。
ですが仕上げの工程は逆にいうと、「作品のクオリティに最も直結する工程」だと捉えることもできます。
と、いうことを最近YouTubeでイラストに関する投稿を行なっているプロのイラストレーターさんの動画で知ったので、早速試してみようと今回は仕上げの工程に注力することを目標に2枚とも進めてみました。
実際それで完成度が上がるのか?
結論としては、かなり上がったような気がします。
このイラストだと、配色をいじったりキラキラを追加したり、鳥束(イラスト下)の目周り、あと目が止まりやすい空助(イラスト上)の持っているテレパスキャンセラーの描き込みを足しました。あとは細部をわずかに整えて似せています。
仕上げの工程では主にモチーフの描き込みを増やす、ライティングの向きを調整するなど、ガラッと絵を変えてしまうわけではないのですが、それでもかなり手を加えないと成立しない工程が多かったです。
かなり手を加えないと成立しない工程が多いためか、これまではその途中で飽きてしまうなんてこともあったのですが、今回意識的に仕上げの工程に注力することで、その重要性が理解できたような気がしました。
この他にも最近はバイト先でイラスト関連の仕事を任されることが多くなり、バイトの方でもイラスト制作をすることが増えました。
(↑のイラストは仕事イラストではないのですが、仕事にすることを意識して描いたアイコン用イラストです)
イラストの仕事を実際にやることが増え、普段私がいかに仕事に使えるイラストが描けてないか痛感しています。
イラストの仕事も私にとっては慣れないことですが、でもこの仕事をたくさんこなし、慣れてきたときに初めて「私はイラストレーターです」と胸を張って言えるようになるのかなと思います。
かといって、慣れないことの負荷はかなり高いようにも感じています。
私はたいていの場合二次創作にハマると1〜2週間程度で興味が落ち着いてしまうのですが、今回のように長いこと二次創作にはまり続けているのも、その現実逃避なのではないのかと最近は思います。
ですので当面は、他にたくさん目標を立てたり新しいことに挑戦したり余分に負荷をかけるのではなく、イラストの仕事をもらえる今の状況をキープしながら、とにかくこのイラストの仕事をたくさんこなす状況に慣れることにしようと思います。
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