こんにちはkanonです。
この度、近藤宗臣様の主催の幻猫綺譚というグループ展に作品を出展させていただくことになりました!
京都東山のギャラリーソラトにて、6/11(火)から6/16(日)までの間開催します!
京都にお立ち寄りの際は是非見に来てください!作家としての参加もまだまだ募集されているそうです。
さて、現在展示のための作品づくりを進めていますので、作品のメイキングがてらその様子をブログにしてみました。
下地作り
今回はキャンバスを使用しました。キャンバスは頑丈だし、額装のことを考えると今回は何かと都合がよかったので。
まずはキャンバス地を紙ヤスリで削って、削った粉をはらってからジェッソと呼ばれる下地用の白いアクリル絵具を平らになるように塗って乾かします。
1日置いて(本当はもっと乾くのが早いのですが、完全に乾かした方が綺麗に仕上がります)ジェッソが完全に固まったらヤスリをかけて、またジェッソを塗って乾かしてヤスリをかけて…
なんてことをだいたい4回繰り返し、キャンバス地のつぶつぶ感がだいぶおさまりツルツルサラサラな描きやすい画面ができました。
今回はこのキャンバスに描いていきます。
アイデア出し
こういうアイデア出しは、本来はキャンバスを選ぶ前にやっておくべきですが…
どういう絵が描きたいかが明確でないと、ダレたりするのでここにもある程度手間をかけます。
「猫」がテーマの作品展なので、とりあえず猫のスケッチをしようと猫の里親カフェにいって猫ちゃんたちのスケッチ、写真を撮ってきました。



今回行ったところは許可していただきましたが、場所によってはスケッチの許可をいただけない場合があるかもです、
漠然とした作品のテーマは、
優しくもおしゃれで部屋に飾りやすい作品!
グッズとして手元に置いてる感が欲しいと今回は絵の具での制作に踏み切りました。
お部屋に飾って癒される、やさしさがある絵であり、かつ部屋に飾っても華やかに決まる。
そんな作品を作るべく、イメージの近いマリーローランサンを研究してみたりしながら、配色を試したり、ラフを描いてみたり、アイデアの種になりそうなことをひたすら試します。
ここで集めたアイデアがのちに資料になったりします。

下書きの前の下書き
下書き前の下書きは、下書きを書くために絵そのものの構成を決める大切な作業です。
キャンバスに直接これをやると描いて消して描いて消して、キャンバスが汚くなってしまうのである程度はどんな絵を描くか明確に決めておいた方がいいと思っています。
猫カフェで首を傾げる猫ちゃんを見て、パッと思いついてスケッチしておいたこの絵が気に入ったので、こんな感じの絵を書いて行こうと思います。


この線画をiPhone でとってiPad proに取り込み、描画ソフトでラフの精度を上げていきます。
この作業はデジタル作業なので、何度もやり直しできます。
この写真だと猫ちゃんが左に偏っているので、真ん中に持ってきたり。
構図変えも、配色の試しも自由です。
イメージが固まってきたのでイメージにあった資料、撮りため、書きためた資料を集めて、よりイメージの精度を上げていきます。
資料は見やすいように、水張り用パネルにまとめます。最初に参考にしたマリーローランサンのポスカもあったのでぺたり。
見たい資料が一目でわかるから探す時間が省けるし、目に優しいのが利点です。

資料をもとにiPadで描き進めます。

背景のグレーはただグレー一色だと温かみに欠けてしまうので、緑や黄色を混色した風の色を乗っけていきます。背景は上から銀箔を張ることも考えていたのですが、ギラギラしてきちゃいそうなのでちょっと考えてみます。
ちなみに猫ちゃんが持っている輪っかの葉っぱはマタタビです。
マタタビは猫が好きな木の実(このラフでは葉だけですが)だし、マタタビの葉は緑の葉に白い美しい模様が入っているので、これを白い絵の具のマチエール(絵の具を筆やパレットナイフで塗ったタッチをわざと残す技法です)なんかで表現したら美しいんじゃ無いかな〜なんて思って選びました。
下書き

だいたい完成したラフをもとに鉛筆で下書きを書いていきます。
今回は繊細さのあるイラストなので精密に下書きしていきます。
わからなかったらすぐに資料を確認し、完成品を描くつもりで精密に下書きを進めます。
軽く陰影をつけていくと、よりイメージ化しやすくなります。
多少鉛筆や消しゴムの跡で汚くなってしまいましたが、マットなアクリル絵の具を使い上から塗りつぶしてしまうので気にしません。
下書きはひとまず完成しましたが、これだけ迷いながら描いたんだから、まだなおしたいとこがあるかも!と思ったので、いったん寝かせて、また次の日描くことにします。
「寝かせる」、制作の手を止めてしばらく作品を見ない時間を作る、写真に撮ったりsnsにアップしたりして客観的にみる時間を作ると、制作してた時は気がつかなかったアラが見えてきます。逆に制作してた時はダメだと思った部分がよく見えたりもします。
この写真を撮って見た時早速アラを見つけて描き直しましたw
何度か寝かせ、手直しをするならして、ある程度納得がいく出来栄えになったら、フィキサチーフ(鉛筆や木炭の粉を画面に定着させるスプレーです)をかけて、定着させます。
これからやる予定の作業
下書きが終わったら、つぎはいよいよ着彩に入ります。
今回は銀箔や胡粉をつかって盛り上げるという日本画的な手法を取り入れることも考えてますので、技法にもより気を使いながら制作します。
案外すぐ完成できる気でいたのですがこうしてみると、かなり時間がかかりそう、制作期間を長くとっていただいて本当に助かりました!
作品ができたら作品にあった額装(しないこともあります)もきっちり抜かりなくします。
まだまだ予算がかかりそうで怖いのですが、この辺は次回以降にお話できたらと思います。
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