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執筆者の写真kanon

「征服されざる白」とお仕事

更新日:2020年2月10日

こんにちはkanonです。

先週はラフづくしで個人的にも不発感があったのですが、その反動か今週はイラスト制作のお仕事も含め、2点のイラストを同時に進めていましたが、今回は個人制作で描いたイラストについてお話していきます。

「征服されざる白」、宝石の中で暮らす主人公「ナルシス」

今回のイラストは前回のブログで描いたお話を元に描いたものです。

ですので今回のイラストの説明は、お話の簡単な説明とともにご覧ください。


主人公の名前は「ナルシス」。



人間の「自己愛」の化身として描いています。(まだ設定を詰めてないのでぼんやりしているのはご了承ください)自己愛の化身なので、顔もちょっと爬虫類っぽく、人間ぽくなく描いています。

彼は人間の心の世界に住んでいます。


人間の心の世界には絶えず外から与えられる事象が流れ込みます。

その事象が喜びであったり、悲しみであったり、様々な感情を呼び起こし、記憶となります。

そしてその記憶はこの世界では「宝石」の形をとります。



記憶は心の世界にある川を流れている間のみ、宝石の形をとり、はっきり思い出したりすることができますが、川が行き着く果ての滝で水とともに滝壺に落ち、バラバラに砕け散ります。

バラバラに砕け散ってその人の人格を作り上げる「経験」となり、滝壺に溜まります。



ナルシスはこの「経験」を糧にして、人間の思考を阻み心を蝕む強い不安や恐怖と戦うというのがこのお話です。

彼は自身の糧になる経験がダイレクトに集まってくる「経験の滝壺」を根城にしています。


砕け散り、経験となった宝石が集まる「経験の滝壺」にいるナルシスを描いたのが今回のイラストです。



自己が自己を愛する心、「自己愛」の化身たる彼の衣服は宿主となる人間に捧ぐ愛の象徴として結婚衣装をイメージしたものです。


以前描いたイラストで、絵全体にたくさん色をちりばめて、白を目線を集めたい箇所のみに絞って使うという実験をしたのですが、その応用として彼の結婚衣装のような姿に目線が集まるようにラフの時点では暗かった白をぱっと明るくし、白の美しさにこだわって影色を混色したりしました。

影色作りは正直今回のイラストではあまりうまくいっていない気がします。

光を美しく見せるには影を美しく描けなきゃいけないということをあまり意識していなかったのが反省です。


白と言えば、ナルシスのそばにある宝石で一つだけ白、透明なものがありますが、これは「ハーキマーダイヤモンド」という名前の水晶をモデルにして描いています。

タイトルの「征服されざる」という言葉は、結婚指輪などでおなじみのダイヤモンドの名前の由来からきていますので、ナルシスの背後の宝石にはダイヤモンドは一つもありません。



ダブっているものもありますが、だいたい同じ種類の宝石は描いていません。

宝石が好きなので、いろいろ調べて描くのが楽しいイラストでした。

二重関節の宿敵!

今回もトミーウォーカー様からのご依頼で、イラストを描かせていただきました。



『ケルベロスブレイド』(C)kanon/トミーウォーカー


トミーウォーカー様主催のゲーム「ケルベロスブレイド」に出てくるキャラクターの適役になる「宿敵」という存在のキャラクターデザインをしました。

依頼の内容は今回も詳しくお話できませんが絵を見てわかる通り、「ピエロ風のキャラクターデザイン」をしてほしいとのことで、某ピエロが出てくるホラー映画や、某アメコミ映画のスピンオフなどに出てくるピエロのような見た目の人物、ホラーの要素がない普通のエンターテイナーとしてのピエロを参考にしながら、今回もキャラクターのラフデザインを何案か作っていきます。


紳士的なピエロ、頭がグキッと動いてこちらを見るホラー的なピエロなども考えましたが、ひょろっと背が高く何を考えているかわからない、人格を感じない右上のラフを元に描き進めます。



ちなみに左上のラフも同じものなのですが、手斧の刃の向きを変えています。

刃が自分側に向いていると、まるでハサミの刃側を持って人に渡すかのように、「殺意」を感じないので刃を自分の外側に向けました。



ラフを描いているうちに思いついた、「二重関節」という設定を取り入れて描いてみます。

この宿敵の腕には肩、肘、手首の他にもう一つ謎の関節があります。

謎関節部分をフリルを多用した袖にして可愛さを足してみます。

ひとまず完成させましたが、この後入稿サイズに合わせて何度か書き直します。

今回も、あまり描き慣れないクリーチャー系のキャラクターで難儀しましたがとてもいい経験になりました。


 

今週は2点のイラストを同時に進めましたが、いずれも最近課題としている「完成直前の描き込み」がかなり甘かった気がします。

2点とも制作中「どう完成させていいかわからない」という思いがずっと頭にあり、制作中ずっと悩んでいた、というよりは完成系を考えることを放棄していたような感じで進めていたのが良くなかったです。


「完成直前の描き込み」に関しても最近気づいたばかりでやり慣れないことなのですが、それをすることで上達の手応えのようなものを感じたのでなんとか形にしていきたいです。

最後に先々週の日曜日に描いた「新世紀アイドル伝説彼方セブンチェンジ」(こちらは斉木楠雄のψ難を描いた漫画家さんが過去に書いた漫画です。)という漫画に出てくる「流智くん」を描いたイラストで締めくくらせていただきます。

今週もご覧いただきありがとうございました!

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